エストニアでは英語・ロシア語は通じる?|公用語から言語表記についても解説

エストニアで英語とロシア語はどれくらい使われているのか、エストニアでの実生活を基に、エストニアの言語表記や、エストニアの言語事情についてお話します。また、エストニアの言語学・言語コードや、文法・エストニア国家による言語政策についてもお話します。

エストニアの公用語

エストニアの公用語は、母語のエストニア語です。

過去にロシアやドイツなどの他国に占領されていた時代は、ロシア語やドイツ語が公用語とされていた時代もあったようです。

ですが、エストニアという国家を取り戻し、立て直してからは、公用語はエストニア語に設定されています。

しかし、実際の生活では、英語やロシア語がよく使われています。

これは、エストニアという国が国際的な友好を望んでいることや、例えばエストニア語でのメディア(映画など)の吹き替えなどが発展していないこと、また、歴史的背景などがあるからと言えるでしょう。

エストニアで英語はどれくらい通じる?


エストニア人は、もちろんエストニア語をメインに使っていますが、近年では英語をとても流暢に話す若者が増えています。

エストニア人は小学校から英語を学び始めますが、小学生で基本的に日常会話レベルの英語が話せます。

エストニア人で、しかも小学生の子だからと思って、頑張ってエストニア語で話しかけていたら、サラサラと英語で返されて、恥ずかしい思いをしたことがあります。

また、エストニアでは、映画やテレビなどもエストニア語に吹き替えされている物が多くはなかったり、英語音声にエストニア字幕がついている物が多いので、日常生活の中でも英語がたくさん使われています。

エストニアの田舎の方や、年配の方になると、英語が全く分からない人が多く、また、分からないと謙遜している人もたくさんいます。

ですが、市内や若者たちは、ほとんど英語が話せる印象があります。

病院などでも、英語を話せる先生は必ずいます。

私の感覚では、エストニア人の前では英語を話すことにシャイな人が結構いて、英語が分からないのかと思いきや、私と2人きりになると、英語を話し始めるという人が結構いました。

英語が分からないエストニア人と言っても、簡単な単語は多くのエストニア人が分かるので、長い文章で話さずに、簡単な単語を言うようにすると、結構話はどこでも通じます。

薬局での例:
✕ I am looking for medicine for cold.
〇 fever! cough! medicine! など

英語の他にも、エストニアの学校によっては他の言語を学ぶクラスがあり、そのほとんどが、ロシア語、フランス語、フィンランド語であるようです。

エストニアでの英語表記について

エストニアに旅行をしたり、移住する場合、エストニアのお店で何かを買うということがあるかと思いますが、エストニアで売られている物で英語表記がある物はあまり多くありません。

商品の言語表記は、「エストニア語、リトアニア語、ラトビア語、ロシア語」が多いかと思います。

例えば、とあるチョコレート菓子には、エストニア語、ロシア語、ラトビア語、英語表記がありました。

例えば、子供用痛み止めの説明書には、エストニア語とラトビア語表記がありました。

例えば、とあるポテトチップスには、英語、エストニア語、ロシア語、リトアニア語、ラトビア語が表記されていました。

EE:エストニア語

RU:ロシア語

LT:リトアニア語

LV:ラトビア語

ENG/GB:英語

こう見ると、ちょこちょこ英語表記があるものもありますが、基本的には、「エストニア、リトアニア、ラトビア語」のバルト三国の表記があることが多いような感じがします。

また、ホテルやタクシーなど、観光で利用する場所では、英語のメニューなどがあることが一般的ですので、困ることはないかと思います。

あと、道路標識は、エストニア語ですね。

エストニアでロシア語はどれくらい使われるのか?

エストニアがロシアに支配されていた時代は、ロシア語を学ぶという強制的な姿勢があったようですが、エストニアが独立してからは、ロシア語を学ぶ人は極端に減ったそうです。

それでもロシア語を学べる学校があったり、ロシアに支配されていた時代の名残から、エストニアでロシア語が使われることは比較的多いようです。

また、都市部では、ロシア語しか話さないロシア人も住んでいるそうなので、彼らとやり取りをする為にロシア語を身につけているエストニア人もいるようです。

例えば、タリンでは、およそ50%くらいのエストニア人がロシア語を理解できると言われています。

ですが、基本的なやり取りは、「エストニア語」で、エストニア語が分からなければ、「英語」、英語が分からなければ「ロシア語」といった感じだそうです。

エストニアの南側の田舎の方では、エストニア語とロシア語がメインで使われているそうです。

若い人々が仕事を求めて出て行ってしまう過疎化の雰囲気があるので、英語が当たり前というようなエストニア全体としての風潮がない感じですね。

タリンから東の田舎の方へ行くと、エストニア語も危うく、ロシア語をメインで話すエストニア人もいるそうです。

歴史を振り返れば、エストニアでのロシア語の使用度は下がっていると言えますが、まだまだロシア語を理解出来る人はたくさんいるといった感じです。

エストニアの言語学と言語コード

エストニアではエストニア語が国家語(母語)として使われています。

エストニア語は、ウラル語族に分類され、言語コードはISO 639-3、「ET・EST」などのコードが使われています。

また、エストニアの地方では、民族種の強い言葉(方言)があり、「EKK・VRO」という2つのマイクロランゲージとして認められています。

エストニアには方言があると言いましたが、例えば、エストニアのサーレマー島でも方言が使われており、島生まれの島育ちの人や、年配の方が話す時は方言が特によく使われるそうですが、そこまで理解できないということはないようです。

ですが、マイクロランゲージに認定されているような、他の地域の方言(特に南側)は、エストニア人にも理解が難しいことがあるそうです。

エストニア語の文法

エストニア語の文法は、SVO(主語、動詞、目的語)が基本です。

英語と同じなので、英語を理解できる方は、エストニア語も学びやすいと思います。

ですが、実際には、エストニア人はSVOの文法を使わずに話すことも多々あり、エストニア人の感覚からすると、「単語を並べる順番は自由でいい」そうです。

文章の最後に動詞を持ってくることも多々あるそうです。

文法の決まりはないけれど、単語をその時の内容で自由に並べれば、伝わるのだそうです。

エストニアの言語政策

エストニアは、過去にロシア(旧ソ連)やドイツに占領された時代があるので、その時代によってロシア語学習が義務化されたり、ドイツ語が学校の授業やコミュニケーションの手段として使われた歴史があります。

その他にも、実はデンマーク語やスウェーデン語が公式言語となっていたこともあります。

こうした「支配されていた時代」には、エストニア語をメインとして使うことが難しかったり、エストニア語しか話せないエストニア人は少数民族として扱われて押しやられた過去があり、国家存続の危うさと共に、エストニア語にも存続の危うさがあったそうです。

ですが、エストニアが国家として独立する力が強くなってからは、国家を完全に取り戻す一環として、言語政策を行う言語監督庁が設置されました。

簡単に言うと、「エストニアの国家なのでエストニア語を話せる人が権力を持つようになる」為の対策と言えるでしょう。

言語政策の具体的な例としては、職場ごとにエストニア語能力の測定を実施して、労働者の言語をエストニア語へ転換させたり、企業名や標識など、エストニアに散らばっていた他国の言語をエストニア語で作成し直すよう促したことなどがあります。

ロシア語が使える環境(例えばラジオ放送など)も残しながら、エストニアの言語政策を実施することで、徐々にエストニアという独自の国家を取り戻していったのです。

1995年に制定された「言語法」では、ロシア語も他の言語と同じ地位であるということを正式に公表し、もはやロシアがエストニアにとっての脅威ではないことを表明した形となりました。

まとめ

エストニアでは、エストニア語が公用語として使われており、英語が流暢に使われる風潮がありますが、言語表記に関しては、英語よりもバルト三国の言葉が多い印象があります。

また、言語対策によって、ロシア語が社会から一掃された感じもありますが、実生活の中ではロシア語を理解できるエストニア人は多くいるようです。

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